2013年5月23日木曜日

青もみじの季節、瑠璃光院と蓮華寺、Japanese Green Maple, Rurikouin, Rengeji

今、青もみじの季節だという。以前から青もみじはこれほどまでに注目されていたのだろうか。
青もみじとは、「赤く色づく前のカエデ」。
と言うことで、特別拝観中の瑠璃光院と蓮華寺に行ってみた。
左の写真は瑠璃光院の入口、門から青もみじがさっそく出迎えてくれた。八瀬比叡山口から歩いてすぐである。京阪電鉄、叡山電鉄がパンフレットを出しているので、多くの観光客が訪れている。

門をくぐって建物に着くまで、一面の青もみじである。
この季節は、とても清々しい風が吹く最も過ごしやすい季節のひとつである。やや高くなっている丘から吹き下ろしてくる風に吹かれながら、建物に入った。
とても丁寧なご挨拶をいただき、期待に胸を膨らませながら門をくぐった。


建物の中からは八瀬が一望できる。
左の写真は本ブログの5月の背景に使っている。青もみじともに、ほのかなピンク色の花が咲き乱れているのが何とも対照的で美しい。





帰途、空を見上げてみた、一面青もみじ、改めて青もみじに埋め尽くされていることがわかる。
ここしばらくずっと晴れた日が続いているが、雨が降れば緑がいちだんと映えるだろうなと思う。雨は、木々をさらに美しくする。

**********

最後の1枚は、瑠璃光院がある八瀬比叡山口のひとつ手前の駅、三宅八幡から歩いて行ける蓮華寺の庭である。同じく青もみじが美しいお寺である。
こちらは宣伝が少ないせいか、観光客もやや少なく、建物内はとても静かで、じっと座って庭を鑑賞できる。訪れている観光客もとてもマナーのいい人ばかり、このような場所に来るとほっとする。
京都の主要なガイドブックには、残念なことに、これらのお寺の解説は無い。でも京都の代表的なお寺にけっして負けない美しさがある。
おそらく、多くの人の地道な努力がこうした美しさを作ったのだろう。
秋には、ぜひとも真っ赤に染まったお寺を見てみたい。



ブログのTOPブログの目次新保博彦のホームページ

2013年5月2日木曜日

世界で最も美しい画本:喜多川歌麿、Kitagawa Utamaro


喜多川歌麿が大首絵で優れた作品を生み出し、今なお世界の多くの人を魅了し続けているのは周知の通りである。このブログでも、「浮世絵の至宝 ボストン美術館秘蔵 スポルディング・コレクション名作選」でいくつかを取り上げた。
ところで、歌麿のもうひとつの優れた作品群は、絵入り狂歌本である。これらを見ると、歌麿の技術がいかに高いかが改めてよくわかる。


歌麿の絵入り狂歌本を見るためには、左の『歌麿の風流』(小学館、2006年)が便利である。この本には、「画本虫撰」「潮干のつと」「百千鳥狂歌合」が掲載されている。
ただし、残念ながら、この本文を画像データにしようとすると、以下の2点のように必ずしも十分に満足できるデータが得られない。

そこで、とりあえずは、以下をあわせて参照されることをおすすめしたい。九州大学デジタルアーカイブか、国立国会図書館デジタル化資料である。
例えば、「画本虫撰」については、九州大学デジタルアーカイブ国立国会図書館デジタル化資料のようである。後者では、「潮干のつと」も見られる。


これらの作品の特徴は、何と言っても、画の対象が、虫や貝、鳥と、それぞれ大首絵の世界と大きく異なる事である。それぞれが実に細密に描かれている。
また、さまざまな新しい手法が試されている。右の図のたけのこはふっくらとした質感が非常に良く出ている。(上記の本、19ページ)
同様の革新的な手法はいくつも見られる。白雲母を使って、蝶の羽根を立体的に輝かせる方法も使われている。
歌麿はさまざまな方法にいつも挑戦し続けていた。


次に、この画本の中で最も色彩豊かと思われる、「百千鳥狂歌合」の一枚を掲げよう。(上記の本、65ページ)鴨と翡翠(かわせみ)の鮮やかな色が特徴となっている。
また、鴨と翡翠の羽根が、先のたけのこと同様に、細かく色分けされながらふっくらと描かれている。
他のページでは、さまざまな鳥が描かれている。鶏の画は、若冲を思い起こさせる。



浮世絵はどちらかと言えば平面的な作品が多い。以上のように、歌麿の絵入り狂歌本は、それを立体的な作品にしようというなどの実験的な試みが随所に見られる。
ところで、これらの作品は、世界で最も美しい画本(木版)と呼ばれているそうである。(残念ながら、どこでそのように呼ばれているか確認はできていません)これらの一連の歌麿のもうひとつの作品群を、世界各地でもっと幅広く見て欲しい。上記のデジタル・アーカイブなどがそのために大きな役割を果たすことを期待したい。

ブログのTOPブログの目次新保博彦のホームページ