2014年12月24日水曜日

今年ももう年末、2つのベートーヴェンのトリプル・コンチェルト、Beethoven, Triple Concerto

今年も早いものでもう年末となった。私個人としては、本当に激動の一年だった。
6月から7月にかけて、突然の学長選挙があり、全く予想しない展開で学長に立候補することになった。残念ながら、敗れはしたが、非常に重要な問題提起ができたと思う。詳しくは退職後にこのブログでも示したいと思うが、私の最も重要な主張は、1.社会的なニーズに対応した学部・学科に大胆に再編成すること、同時にそのニーズに見合ったカリキュラムを導入すること、2.大学の将来像などの重要な意思決定に大学外の専門家にできるだけ積極的に参加してもらうことだった。特に後者については、私の研究者としての主張の、開かれたコーポレート・ガバナンスと同じ目的からである。

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ところで、今日のブログは、年末恒例の音楽について書いてみたい。
毎年年末になると、ベートーヴェンの合唱が演奏される。最近では、それがますます大がかりになっている。あまりにも画一化されてきたので、私は同じベートーヴェンの以下の曲を聴いて過ごしたいし、それをお薦めしたい。
それは、ベートーヴェンの「ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲 ハ長調作品56(トリプル・コンチェルト(三重協奏曲))」である。この曲をWikipediaは次のように評価している。「ヴァイオリンソナタ第9番『クロイツェル』、ピアノソナタ第21番『ワルトシュタイン』、ピアノソナタ第23番『熱情』、交響曲第3番『英雄』などが書かれた時期の作品であるが、これらの傑作の影に隠れて今日ではあまり評価が高くない。ピアノ三重奏を独奏楽器として管弦楽と対置するという発想は意欲的なものであったが、ベートーヴェンはそれを十分に処理しきれずに終わった、というのが一般的な評価である。このように作品自体が凡作と見なされている・・・」この評価を見て本当に驚いた。

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このような評価を覆す演奏として登場したのだろうか。 カラヤン(ヘルベルト・フォン)指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロストロポーヴィチ(ムスティスラフ)、オイストラフ(ダヴィッド)、リヒテル(スヴャトスラフ)と言う豪華なメンバーによる演奏が左である。
EMIクラシックス・ベスト100・プレミアム HQCDで登場、20世紀最高の指揮者とソリストによる永遠不滅の名盤とうたわれている。HQCDなので音質もとても良く、1969年の演奏とはとても思われない。価格もなんと1,143円。(私が購入した安価な版は現在購入できないようだ)


それでも、時代と共に新たな意欲的な演奏が登場している。最もお薦めなのが、グスターボ・ドゥダメル指揮、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ、マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)、ルノー・カプソン(ヴァイオリン)、ゴーティエ・カプソン(チェロ)によるライヴ・フロム・ザルツブルク [DVD]である。

前者がCD、後者がDVDで、後者が優位であるのは当然だが、このDVDは音楽が聴く芸術であるだけではなく、見る芸術であることをとてもよく示してくれる。
多数のカメラが配置されていて、アルゲリッチやカプソン兄弟だけではなく、オーケストラのメンバー一人一人の演奏や表情がよくわかる。
この曲は3つの協奏曲を同時に聴け、チェロとバイオリン、それらとオーケストラの掛け合いが全曲にわたって続くところが魅力だと思う。その面白さが画面を通してよくわかる。
どうして、Wikipediaの著者や音楽の専門家はこれを凡作と見たのだろうか?

そして、実はこのDVDには、ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲《展覧会の絵》が、もうひとつの作品として収録されている。これもまた、三重協奏曲とともに映像作品としての音楽となっていてとても見応えがある。
ぜひ年末にご覧になることをお薦めしたい。

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